昨今の地方議員に関連する様々な報道をご覧になる方も多いかと思います。都議会におけるヤジ問題、地方選挙における市長選挙に絡む市議会議員の大量逮捕、県議会における不適切な政務活動費の使用などなど。これほどまでに地方議会の信用が失墜している時期もないと感じました。怒りを通り越して、悲しみすら覚えます。
とくに政務活動費に関しては、議員報酬とは別の第二の生活費だ、などと揶揄されていますが、今後それぞれの地方議会でも使途公開や給付方法については改めて議論されるべきだろうと思います。
私たち議員は市民の皆様からの税金で様々な他市の先進事例を学んで自らの議会活動に活かすために研修活動などに出掛けさせていただている、そのための政務活動なのですから、何に使用されたのかは報告の概要を含めオープンにされていくべきでしょう。交通費での切符の回収が困難な場合を除けば、領収証も可能な限り添付されて当然のことです。なお、奈良市議会においては議会事務局から支出のチェックが入ると同時に、今年度からは支出の1円以上の明細票がインターネットで公開されています。
良い政治(国政や地方政治)を作り上げるのは政治家の仕事ではありますが、良い政治家を選び育てるのは市民の皆様の投票に掛かっています。どうか、まず投票所に足を運んで自らの街の政治を行っていただく代表者を選んで頂きたいのと同時に、その候補者が当選した暁には任期中にどのような議会活動を行ったかも同時に市民の目でチェックしていただきたいと思います。とくに地方政治は国政と比べて関心が薄れがちですが、私は最も生活に密着している地方議会こそ市民の皆様に関心のある政治でなければならないと思います。
日本が右肩上がりの時代であれば、自らが選出した議員に任せっぱなしの政治であっても許されたのかもしれません。しかし、国のみならず各自治体の財政状況を見る限り、地方政治の手腕が今後の自治体の盛衰を二分する時代はないと思います。
そのなかで私は一地方議員であっても、日本全体の中での、さらにはアジアの中での自治体(奈良市)の位置付けといった視座に立って考えることのできる政治が求められていると感じています。
現在私が所属している林英臣政経塾は、東北から九州まで全国の若手地方議員が中心となって林塾長の旗のもとに集う平成の志士集団です。幕末の動乱にあって、坂本竜馬や西郷隆盛といった志士が明治の世を切り開いていったように、日本には困難な時代に直面しても必ず、知恵を出し合ってこれらを切り抜け新しい時代を開いていく底力があるはずです。
先人の無念と生き様を受け継ぎ、子孫に勇気と誇りをもって日本の素晴らしさを伝えていくこと、私たちはその担い手となって市民の皆さんの代表として使命を果たすこと、大風呂敷かもしれませんが、目指す先には究極にはそのようなテーマになるのだろうと思います。
3部に亘って日頃考えていることの一端を書き連ねました。まだまだ未熟ではありますが、今後とも太田こうじの活動を温かくお見守り頂ければと思います。輝ける明日の奈良の未来のために!市政に全力投球の姿勢で頑張ってまいります。
平成26年7月31日記
奈良市議会議員 太田晃司拝
画像は[ Photo by (c)Nature-Free ] http://nature-free.comより転載しました。