さて、私の住むあやめ池には駅南側に蛙股池という池があります。 蛙の股の形をしているからという通説がありますが、実際は神社仏閣の建築様式のことで、見た目が蛙の股を広げたような構造上必要な支柱の形に似ているからということだそうです。
それはさておき、この池は実は奈良における平城京(710年)よりもさらに古い1400年以上前に作られた日本最古のダムであったということです(西暦162年という説もあります)(国土交通省大和川河川事務所 資料より)。 http://www.kkr.mlit.go.jp/yamato/index.php
また隣在する菖蒲池神社の歴史を紐解くと、三神すなわち市杵島姫命(いちきしまひめ)、菅原道真(すがはらのみちざね)、野見宿禰(のみのすくね)を祀る神社であり、下流にある菅原神社の末社とされています。菅原神社は菅原道真公の誕生の地とも云われています。
私も最近知った事実でしたが、身近な地域に実は十分に他の地域にPRできる歴史の営みがあるということがまだまだ知られていないのではないでしょうか。奈良は京都など他府県の歴史ある古都と比較しても、十二分に魅力ある歴史遺産をもっているのにも関わらずまだまだそのPRを活かしきれていないのが現実だと思います。
蛙股池を例にとりましたが、奈良には指折りでは数えきれないほどの誇るべき遺産があります。平城京や春日大社、東大寺だけが奈良市の誇るべき遺産ではないと私は考えています。小学校や中学校の教育から校区内の校外学習などを通じて地元の歴史や自然を見つめなおす環境教育の場を設けることからこそ、奈良観光の魅力再発掘が始まるのだと思います。